「チーズ染色」について

(弊社での染色風景。大きな釜で一度に染めることができます)

私たちの社名の「阪南チーズ染色」ですが、「チーズ」という言葉が入っているのでて「美味しそう!」と言っていただくことがけっこうあります。

ですが、チーズで染めているわけではありません。🧀💦

チーズというのは糸の巻き方のことです。

通常糸はコーン(紙管)に巻かれているのですが、
芯が紙のままでは液体の染料が入った釜に入れることはできません。


そこで、入荷した原糸はまずこのような「染色ボビン」に巻き直します。
染色ボビンの素材はプラスチックや金属で、写真のように穴が空いていることが特徴です。


見た目ではあまりわからないかもしれませんが、

コーンにぎっちり巻かれていたときよりも、ソフトに、柔らかくなっています。

この角がとれた形がまるでチーズのようなので、「チーズ染色」という言い方になっているそうです。

単純なようですが、このチーズ巻きが、染色にとって非常に重要なポイントです。

巻きがきつすぎると、染料がうまく中心まで入らず、内外差ができてしまいます。また緩すぎると崩れてしまい、ムラの原因になります。

現場の職人曰く、糸の素材や太さによって少しずつ巻き方を変えているのだそうです。微妙な調整には経験が必要になります。

このチーズ巻きがあって、初めて冒頭の写真のような大きな釜での染色が可能になります。

工場では糸を巻く人と染める人が協力しながら仕事をしています。

 

 

※こちらのブログでは工場の様子や、繊維業に携わる人の姿をお伝えしていきます。

 

(投稿:yamaguchi)